事業概要

事業概要

高槻市薬剤師会では、医師が安心して処方せんを発行し,患者さんも安心して調剤を受けられるように,「かかりつけ薬局」 を育成し 支援しています。 医薬分業とは,処方せんをもらった患者さんがいつでも,どこでも自由に薬局を選ぶことができる受入れ態勢をいい,街の保険薬局は全ての医療機関の処方せんを受け入れ,患者さんにとっての「かかりつけ薬局(基準薬局)」と位置づけ,その 育成と面分業の達成に努力しています。

基本理念

「薬剤師」の名称が法令上明文化されたのは、西欧の医学・薬学制度の導入が図られた明治時代のことですが、その際に目的とされた、医師は診療に専念し、投薬については処方せんを発行し、その処方せんに基づく調剤は薬剤師が担当するという医薬分業制度はなかなか普及しませんでした。このため、薬剤師の主たる業務である調剤は、病院勤務薬剤師が担当する他は、町の薬局では少数の薬局で僅かに実績がある程度で、このような時代が昭和40年代まで長く続きました。 昭和36年に、医療保険が全国的に普及して国民皆保険が実現し、高度成長と相まって医療保険制度と医療提供体制が拡充されることとなりましたが、これに伴い病院診療所勤務の薬剤師は一貫して増え続け、昭和35年の9,575人から、平成6年の45,553人へと 4.8倍に増加しています。昭和49年に医師の処方せん発行について医療保険上の評価が大幅にアップし、医薬分業が著明に進展しはじめました。さらに、ここ数年来の院外処方せん発行の急増を受けて薬局従事薬剤師も大幅な増加傾向を示しており、平成6年は60,866人となっています。 ちなみに、平成7年度における院外処方せんの発行枚数は2億6,500万枚を超えています。これは、薬が投与される外来患者のうち5人に1人は、院外処方せんにより町の薬局で調剤してもらっていることになります。 病院勤務薬剤師の業務は入院患者に重点を移し、外来患者の薬は院外処方せんの発行に切り替えられる傾向が今後も続くと見込まれることや、本格的な高齢社会の到来を迎えて、地域社会の中での薬局薬剤師の業務として、処方せん調剤を通じた医療の分野だけではなく、保健、福祉、介護の分野までをも担当することが期待されていることから、薬局に従事する薬剤師の需要は更に増大しています。 薬学教育では、最近まで医薬品の研究・開発や分析等創薬に関する講義が主として行われ、医療に関する教育が充分とはいい難く、もっと充実すべきと指摘されてきました。しかし、患者志向の薬剤師業務が拡充する中で、薬学教育でも、医療薬学に対する取り組みや卒業前の実務実習の充実強化が行われつつあります。 また、社会的な問題となっているHIV薬害事故等を契機として、厚生省は薬の安全性確保対策を整備、強化することとなり、薬事法・薬剤師法の改正が平成8年6月に行われました。この改正により平成9年4月からは、薬剤師は調剤した薬剤について適正な使用のために必要な情報を患者に提供しなければならないことが義務づけられることになりました。 今後とも、高齢化社会の到来の中で薬の適正使用への貢献を中心とした役割が薬剤師に求められています。